シックハウス症候群とは
化学物質過敏症の一つとして考えられている造語で、室内にある有害化学物質やカビ・ダニが原因で目がチカチカしたり頭痛、皮膚のかゆみなどの症状がおこります。しかし、その原因がすべてホルムアルデヒドとはいえません。
シックハウス症候群の原因となる物質の例
部分 | 発生源 | 発生物質 |
---|---|---|
合板・床・ドア・家具 | 接着剤 | ホルムアルデヒド、酢酸メチル、酢酸ビニール |
塗料 | トルエン、キシレン | |
壁紙 | 塩化ビニール | モノ塩化ビニール |
可塑剤 | フタル酸エステル | |
接着剤 | ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン | |
畳・カーペット | 防虫剤 | 有機リン系殺虫剤 |
衣類防虫剤 | パラジクロロベンゼン | |
シロアリ駆除剤 | 有機リン系殺虫剤 |
ホルムアルデヒドとは
刺激臭のある無色の気体。空気とほとんどおなじ重さで、水に溶けやすい。その水溶液をホルマリンといいます。
温度・湿度が高いと揮発しやすく部屋の濃度は高くなります。
規制
厚生労働省よる室内濃度指針値(平成9年6月)
ホルムアルデヒド:30分平均値で0.1mg/m3(23℃で0.08ppmに相当)
*ホルムアルデヒド検知管 NO.91P(0.02~0.4ppm),91PL(0.02~0.2ppm)
測定方法
今のところ法律で、定められた測定方法もありませんが、放っておいてもいいというものではありません。お客様との信頼関係を深めるために測定は欠かせないものと思ってください。
測定前に、あらかじめ5~8時間部屋を密閉してから測定するのが一般的です。
すべての部屋を測定する必要はないと思いますが、生活の中心となる居間、寝室の2ヵ所及び室外1ヵ所の計3ヶ所くらいは測定してください。
除去方法
一度に取り除くことのできる装置はありません。住宅が完成してから濃度が下がるまでに何もしない場合、 1年以上かかるようです。少しでも早く濃度を下げるには、除去装置を設置したり窓を空けて換気をしてください。このとき暖房器具や換気扇、扇風機を使うと効率よく除去できるようです。
放散量の少ないF1クラスの材料でも使用する量が多ければホルムアルデヒドの濃度は高くなり0.08ppmを超えてしまいます。また、冬より夏、夜より昼のほうが高いようです。
今後の動き
厚生労働省の「シックハウス問題に関する検討会」からの指針案
トルエン:260μg/m3(0.07ppm)
キシレン:870μg/m3(0.2ppm)
パラジクロロベンゼン:240μg/m3(0.04ppm)
2000年6月に通知されました。
VOC(Volatile Organic Compounds)とは
揮発性有機化合物の略で化学物質過敏症の原因になります。
トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンなどがあります。
シックハウス用検知管を用いたホルムアルデヒドの測定方法
自動ガス採取装置 GSP-300FT 、GSP-300FT -2、GSP-311FT 、GSP-200でシックハウス用検知管が使用可能です。
自動ガス採取装置 GSP-300FT-2 の使用例
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検知管式測定器について
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気体測定の一般知識
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参考資料