定電位電解式センサは昭和40年代の初頭、二酸化硫黄や窒素酸化物などの大気汚染原因物質の発生源における測定用として注目され、実用化が進みました。
昭和50年代に入り、燃焼排ガス測定や労働衛生管理用として一酸化炭素測定器、硫化水素測定器などの普及に伴い、他の接触燃焼式センサやガルバニセンサと同様な一般的なガスセンサとして認められるようになりました。
その後、昭和50年代後半からは新たな産業の技術開発に伴い、特殊材料ガスや酸性ガス、ハロゲンガスなど多くのガスに対応するセンサの開発、また既存センサのより高感度化へ向けた改良が積極的に行われ、その応用範囲も大きく拡がりました。
- 定電位電解式センサは検知・測定対象ガスの種類が非常に多いことが最も大きな特長です。
- 反面、共存する他ガスの影響を受けやすく、原理的には同族のガスの分離測定が困難となります。
- 電位の設定や電極材質、電解質溶液を変えることにより、選択性を持たせることも可能となります。
構造・原理
構造はガス透過性膜、作用電極、参照電極、対電極、電解質溶液からなる密閉構造の合成樹脂容器でできています。原理は参照電極に対する作用電極の電位を規制して電解を行い、その時に流れる電解電流を測定してガス濃度を知る方法です。
一例を挙げますと、一酸化炭素の場合は作用電極において(1)式に示す酸化反応が、対電極では(2)式に示す還元反応が起こります。全反応は(3)式になります。
このとき作用電極と対電極に流れる電流は一酸化炭素濃度に比例します。
(1)
一酸化炭素: CO + H2O → CO2 + 2H+ + 2e-
硫化水素: H2S + 4H2O → H2SO4 + 8H+ + 8e-
(2)
一酸化炭素: 1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O
硫化水素: O2 + 4H+ + 4e- → 2 H2O
(3)
一酸化炭素: CO + 1/2O2 → CO2
硫化水素: H2S + 2O2→ H2SO4
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