その他
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Q1.
「君津式表層汚染調査法」の由来について
ガステックでは、ボーリングバー、検知管を使用した土壌汚染(土壌ガス)の調査システムを「君津式表層汚染調査法」と称していますが、その名の由来などありましたら教えてください。(A環境株式会社 分析部) -
A1.
まず、本手法は当社が開発したオリジナルな技術ではありません。1980年代の後半、千葉県君津市におけるトリクロロエチレンによる大規模な地下水汚染現場での調査の過程から生まれてきたもので、千葉県水質保全研究所(当時)の楡井久博士(現、茨城大学名誉教授、NPO法人 日本地質汚染審査機構理事長)、君津市環境部(当時)の鈴木喜計氏(現、君津システム株式会社 社長)らによって開発された手法です。
原著論文としては、「有機塩素化合物による地質汚染簡易調査法」(『公害と対策』1989年12月号 鈴木、楡井他)がありますが、その中では「君津式表層汚染簡易調査法」として紹介されています。また、その後当社も両先生らと協力して、本手法の改良と普及に携わるようになり、日本地質学会主催の第1回環境地質学シンポジウム(1991年)においては、「地下空気汚染と君津式表層汚染調査法」(鈴木、楡井、松延(当社技術部)他)として発表を行っております。
以後、本手法は有機塩素化合物による地質(土壌)汚染の必須の調査方法として全国に普及し、今日に至っておりますが、当社としましては上記の歴史を踏まえ、一貫して「君津式表層汚染調査法」と表現しております。
なお、たまたま当時、ボーリングバーと当社検知管を用いた方法でスタートしましたので、ボーリングバー・検知管方式と使用器具が限定しているかのように捉えられていますが、何らかの方法で窄孔(一定の深度で)し、他の検出器(PIDモニタ、簡易GCなど)を使用して調査を行っている事例も多く、これらもすべて広義の意味での「君津式表層汚染調査法」と呼ぶべきものと考えています。
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Q2.
発煙管No.501を使ってクリーンルーム内の気流を確認しようと思います。どの様な点に注意する必要がありますか。
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A2.
発煙管から出る白煙は刺激性・腐食性を持ったガスと粒子の混合物であるため、まずは風上に立って操作し、白煙を吸い込まないように十分に注意します。その上で白煙が皮膚や衣服に触れないように注意します。次に、製品・部品や実験機器等に白煙が触れないように、ダクトやクリーンベンチ等の吸い込み口までの気流の経路上に、これらの物品をできるだけ置かないようにします。
発煙管には塩化スズ(Ⅳ)(SnCl4)が含まれており、これが空気中の水分と反応して塩化水素(HCl)と酸化スズ(Ⅳ)(SnO2)が生成し、白煙となって放出されます。万一、白煙を大量に吸ってしまった場合は、直ちにうがいをした後、医師の診断を受けます。目に入った場合は、直ちに多量の水で15分間以上洗い流して速やかに眼科医の診断を受け、皮膚に触れた場合は、直ちに多量の水で洗い流します。なお、白煙が機器等に触れた場合、触れた部分を雑巾等で拭き取ることをお勧めいたします。
発煙には空気中の水分が必要になるため、乾燥した環境では発煙しづらいことがあります。また、繰り返し使用するために使用後に一時保管する際、そのまま放置すると発煙管内部で白煙が固化して目詰まりするため、発煙管の両端に付属のキャップをして保管します。
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Q3.
活性炭チューブを用いてメタノールを捕集する場合、どの型式を使用したら良いですか?
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A3.
充填量が多い活性炭チューブNo.258A-20がお薦めです。
活性炭管の場合、無極性有機溶剤に対して吸着力があり、反対の性質を有するメタノールの場合、吸着力が小さく破過時間が短くなります。このため、破過を防ぐために充填量の多いチューブを使用する必要があります。1層目に400mg、2層目に200mgの活性炭が充填された上記のNo.258A-20では、N,N-ジメチルホルムアミドにより脱着した場合、90%以上の脱着率を示すことが分かっております。
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Q4.
校正証明書・試験成績書(試験報告書)とはどういうものですか?